学校法人森友学園の国有地売却を巡る財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強いられ、自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(52)が、開示請求した行政文書を存否も明かさず不開示としたのは不当だとして、国に取り消しを求めた訴訟の控訴審が7日、大阪高裁で始まった。

 この日の第1回口頭弁論で、雅子さん側の代理人弁護士は、国側が不開示の理由とした「捜査に支障を及ぼすおそれがある」との主張について、「どんな文書があるのか明らかになっても、支障が出るとは考えられない」と意見陳述した。

 雅子さんは2021年8月、同省や近畿財務局が大阪地検に任意提出した文書などの開示を求めたが、捜査への支障を理由に、存否を明かさずに不開示とされた。昨年9月の一審・大阪地裁判決は、「存否を明らかにすると文書の名称も知らせることになる」として同省などの対応を是認。請求を棄却したため、雅子さん側が控訴した。

 雅子さん側は控訴審で、内閣府公文書管理委員会で委員長代理を務めた三宅弘弁護士の意見書を提出。「文書の名称ではなく、作成日や作成者などを示して文書が特定できるようにするなど、裁判所は国に工夫を促すべきだ」と指摘した。(森下裕介)

朝日新聞
2024/2/7 14:28
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