政府は12日、来年秋に現行の健康保険証を廃止する方針を打ち出した。河野太郎デジタル相は記者会見で、健康保険証を来年秋に廃止する理由について、マイナンバーを巡る総点検が終了したことを念頭に「国民の不安を払拭する措置を取った」と強調。「イデオロギー(政治思想や理念)的に反対される方は、いつまで経っても『不安だ』『不安だ』とおっしゃるでしょう。それでは物事が進みませんので、きちんとした措置をとったということで進めます」と述べた。
河野氏は、医療現場から廃止を撤回してほしいとの声が上がっていることについても「きちんと措置を取ったのでやる」と重ねて強調した。
マイナ保険証の利用率が低迷している中で廃止を決めたことについては「より良い医療を提供するため、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めないといけない。マイナ保険証は基盤になる。そのために利用数を増やしていかないといけない」と述べた。
マイナ保険証の導入が、もともと任意だったマイナンバーカードの事実上の義務化につながるとの懸念については「(マイナ保険証を)1度使っていただくと使いやすいさを理解して頂けると思う」と話した。

東京新聞
2023年12月12日 18時48分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/295616