自民党の派閥のパーティーを巡る問題で、最大派閥の清和政策研究会(安倍派)がパーティー券の販売ノルマ超過分に応じて所属議員側にキックバック(還流)した現金が一部の議員の関連団体の支払いなどに流用されていたことが7日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、還流分の使途についても調べているもようだ。

還流分を政治資金収支報告書に記載しなかっただけでなく、実際に裏金として使っていたことになる。支払いを議員関連団体の収支報告書に記載しなければ、支出についても政治資金規正法違反(不記載など)に問われる可能性がある。

特捜部は議員側の支出の不記載について裏付けを進めるとともに、議員本人の不記載への関与の有無や悪質性を見極めるためにも還流分の使い道の解明が不可欠とみて捜査しているとみられる。

安倍派は年1回単位でパーティーを開催し、所属議員に課した販売ノルマの超過分に応じて議員に還流。一部議員はノルマ分だけを派閥に収め、超過分は派閥に報告せずに議員のパーティー券用口座に残す場合もあったとされる。

関係者によると、一部議員への還流分はパーティー券の販売実績に応じた秘書への実質的な奨励金や、秘書の給与などにも使われていた。

議員のパーティー券用口座に残った現金は翌年以降、パーティーで販売ノルマを達成できなかった場合にノルマ未達分の穴埋めなどに使われることもあったという。

安倍派の平成30年~令和4年分の収支報告書によると、記載されたパーティー収入は5年間で総額約6億6千万円。還流分の記載はなく、不記載は総額数億円に上る恐れがある。

政治資金規正法は収支報告書の提出義務を会計責任者に課し、不記載は5年以下の禁錮または100万円以下の罰金。共謀が成立すれば会計責任者以外も罪に問われる。

産経新聞
12/8(金) 1:08配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/2571c2d901fcc593375f4990eed04af04a6ec15e