岸田文雄首相が自民党政調会長だった2019年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の友好団体のトップと自民党本部で面会していたと、複数の関係者が朝日新聞の取材に証言した。

 岸田氏はこれまで教団との関係について「知る限り関係はない」とし、閣僚や党所属国会議員に点検や説明、関係の見直しを求めていた。自身の説明責任が問われることになる。

 関係者によると、岸田氏は党政調会長だった19年10月4日、党本部で来日中のニュート・ギングリッチ元米下院議長らと面談した。この場に、教団の友好団体「天宙平和連合(UPF)ジャパン」のトップである梶栗正義議長が同席していたという。梶栗氏の父は教団の元会長で、梶栗氏は別の教団関連団体のトップも務める。UPFは教団創始者の故・文鮮明(ムンソンミョン)氏と妻で教団総裁の韓鶴子(ハンハクチャ)氏が創設した団体だ。

 党本部では、主に岸田氏とギングリッチ氏が米大統領選の情勢などを語り合った。面談は30分以上にわたり、梶栗氏は岸田氏に名刺を渡して自己紹介したという。

 朝日新聞はギングリッチ氏に面談の経緯や内容を取材したところ「プライベートな会話だった」とコメントした。UPFジャパンを通じて梶栗氏にも文書で事実関係をたずねたが、回答はない。

 岸田氏の事務所にも梶栗氏との面会について複数回たずねたが「ギングリッチ氏との面談であるとの認識だった」という回答で、梶栗氏についての説明はなかった。(編集委員・沢伸也、高島曜介)

朝日新聞
12/4(月) 5:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/bbc8f259351ac41ba2add4fd301d935f785847f0