2022年の政治資金収支報告書で、野党が問題視する「政治とカネ」に絡む記載が改めて確認された。武見敬三厚生労働相は、医療界から多額の献金を受領。自粛が求められる大規模パーティーを開催する閣僚も相次いだ。自民党派閥の政治資金パーティー収入を巡る「裏金」疑惑が浮上する中、野党は一段と追及を強めそうだ。

 武見氏は、父親が過去に日本医師会の会長を務め、自身も医師会の政治団体「日本医師連盟」から推薦を受けたことがあるなど、医療界と関係が深い。報告書によると、資金管理団体が医師や関係団体から、献金や「勉強会」の会費として2000万円超を集めた。過去3年間の総額は少なくとも1億円に上る。

 24年度の診療報酬改定で、日本医師会などは大幅な引き上げを求めている。業界から手厚い支援を受けてきた武見氏が議論の調整役を務めることに、野党からは「医師会の代弁者になるのではないか」などと疑問の声が上がる。
 政治資金パーティーを巡っては、岸田文雄首相が収入1000万円以上の「特定パーティー」を計7回開いたと報告書に記載。閣僚らに大規模パーティーの開催自粛を求める「大臣規範」に抵触すると国会で指摘された。
 岸田内閣では、22年当時に現職だった林芳正前外相、加藤勝信前厚労相らも開催。今後、批判を招く可能性もある。

時事通信
2023年12月02日07時08分
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