ジャニーズ起用「切る」も「続ける」も 表面的な対応にすぎない:朝日新聞
https://www.asahi.com/articles/ASR9W61NWR9MUPQJ007.html

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聞き手・吉田純哉 2023年9月29日 7時30分

スポンサー、メディア、それぞれ異なる問題点
 ジャニーズ事務所の所属タレントを起用した広告が、次々と打ち切られている。一方でテレビ番組などへの出演は続いている。この状況をどう見るか。取引企業の責任とは? 人権NGO「ヒューマンライツ・ナウ」の伊藤和子副理事長に聞いた。

「自浄作用」のある社会へ 津田大介さん、ジャニーズ問題への提言
 ――故ジャニー喜多川氏による性加害問題をめぐり、ジャニーズ事務所の所属タレントを起用した広告を見直す企業が相次いでいます。

 「多くの企業は、世論が沸騰しているから契約を切っておこう、という態度だったのではないか、と受け止めました。これでは、あくまで自社のリスクマネジメントに過ぎません」

 「ずっと広告に起用してきたスポンサー企業が、急に『人権侵害は許さない』と言い出したことに、私は違和感を感じました。ジャニーズ事務所が性加害を認めたから契約を見直すのでは、本来は遅いのです」

 「現状では、契約を『切った』ところも、『続ける』ところも、問題があると感じます。スポンサー企業も、メディア企業も、極めて表面的な対応しかしていない。自社の問題として、捉えていないのです」

「所属タレントも人権意識問われる」
 ――「自社の問題」とは、どういうことでしょうか。

 「自社において、なぜこの問…

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