自民党に所属した衆院議員・秋本真利容疑者が受託収賄容疑で逮捕されたことは、岸田政権に打撃となりそうだ。

 事件の舞台となった風力発電を含むGX(グリーントランスフォーメーション)は政府が多額の予算を配分しており、野党は「氷山の一角」(長妻昭・立憲民主党政調会長)として攻勢を強める構え。年内の衆院解散を模索する岸田文雄首相の解散戦略にも影響しそうだ。

 秋本容疑者は疑惑が表面化した先月に自民党を離党。茂木敏充幹事長は7日、「大変遺憾に思う。厳粛に受け止め、推移を見守りたい」との短いコメントを発表した。松野博一官房長官は記者会見で「国民に不信を持たれないよう、常に襟を正す必要がある」と述べた。閣僚経験者は低迷する内閣支持率に「影響するだろう。いいイメージはない」と懸念する。

立民の泉健太代表は国会内で記者団の取材に対し、秋本氏の議員辞職を要求。外務政務官に起用されていたことから「自民にも責任はあるし、岸田文雄首相の政治責任も問われる」と指摘した。共産党の小池晃書記局長も東京都内で記者団に「自民党が責任を持ち議員辞職を迫るべきだ」と述べた。

 政府関係者は「秋本容疑者以外にも風力発電を巡る国会質問はあったはずだ」と話す。国民民主党の玉木雄一郎代表は都内で記者団に「『再エネ利権』が生まれているのではないか。同様の不正、政策のゆがみがないか、徹底的に追及したい」と強調した。

 公明党の山口那津男代表は「事実とすれば政治プロセスや再生可能エネルギー行政への信頼を根本から揺るがしかねない」との談話を発表した。

 捜査の展開次第では、年内とも取り沙汰される衆院解散への「影響は避けられない」(自民若手)と見る向きもある。自民の森山裕選対委員長は鹿児島市内で記者団に「自民党に対し批判があることも覚悟しなければいけない」と述べた。

時事通信
9/8(金) 7:06配信
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