やっぱり岸田首相はアメリカの言いなりだった。岸田首相が昨年に強行した防衛費倍増をめぐり、バイデン米大統領の衝撃発言が波紋を広げている。

「日本は長い間、防衛費を増やしてこなかった。しかし、どうなったか」──。バイデン大統領は20日、カリフォルニアで行われた支援者集会で、日本の防衛費について言及。日本の防衛費増額を岸田首相に説得したとして、次のようにアピールした。

「私は日本の議長、大統領、副……いや失礼、指導者と広島(G7サミット)を含め、確か3回会談した。そして彼(岸田首相)が……、私が彼を説得した結果、彼自身が何か違うことをしなければと思うに至ったのだ。日本は防衛費を飛躍的に増やした」

 要するに、バイデン大統領の説得(命令?)があったから、岸田首相は防衛費増額を決めたというのだ。

 さらにバイデン大統領は、「日本がヨーロッパの戦争に関心を持ち、ウクライナ支援に貢献しているのはいつ以来だ?」と投げかけ、日本からウクライナ支援を引き出したともアピールしていた。

 この集会でバイデン大統領が発した「習近平は独裁者」発言が国内外のメディアで大々的に報じられたが、日本の安全保障にとっては「キシダを説得したのは私」の方が衝撃的である。防衛費増額をめぐる岸田首相の説明とまったく食い違うからだ。

■情けなさすぎる「岸田外交」

 防衛費をめぐっては、昨年5月23日の日米首脳会談で岸田首相が「相当な増額」を表明。同月31日の参院予算委で野党議員から「(増額は)対米公約か」と問われると、岸田首相は「我が国の防衛費は我が国が主体的に決めるもの」「決して対米公約ではない」と否定していた。

 ところがどっこい、バイデン大統領に「説得」された可能性があるというのだから大問題だ。国際ジャーナリストの春名幹男氏がこう言う。

「岸田首相は防衛費増額という目標を打ち出して以降、具体的な理由を明かさないまま突然、昨年末にNATO並みの『GDP比2%』への引き上げをブチ上げました。防衛費の大枠を示したものの、肝心の中身はスカスカ。必要な装備や人員などにかかる経費を具体的に積み上げた額ではなくアメリカに従っているだけだろうということは、以前から言われていました。バイデン大統領の発言は、案の定といった感じです。むしろ日本側から、アメリカを喜ばせるために『GDP比2%』という、アメリカの要求以上の数字を出したのではないか。対米追従は今に始まった話ではありませんが、改めて日本の防衛・外交の主体性のなさが浮き彫りになりました」

「岸田外交」なんてしょせん、そんなもの。一国のトップとして、情けない限りだ。

日刊ゲンダイ
6/23(金) 14:00配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c01b6cd1204db2bf0d54856cc85912480345935