前三重県知事の鈴木英敬衆院議員が代表を務める自民党県支部が国の公共工事を受任した企業から献金を受けていた問題で、県警は2日、公職選挙法違反の疑いで鈴木議員に対する告発状を受理した。告発者の日本共産党の中川民英南部地区委員長が同日、県庁で会見を開いて明らかにした。

 告発状によると、鈴木議員が代表を務めていた自民党県第四選挙区支部が、令和3年10月の衆院解散日から総選挙投票日までの間、国の公共工事を受注した同選挙区内の企業13社から総額約1千万円の寄付を受けていたとして、公職選挙法に違反するため厳重な処罰を求めるとしている。

 この日は中川南部地区委員長と大嶽隆司党県委員長が会見し、伊勢署で同署長宛てに告発状を提出し、受理されたことを報告した。

 中川南部地区委員長は告発理由について、「鈴木氏は前知事の職にあって公共工事に関わっていたことを知らないはずはない。民主主義を破壊する不法行為で見過ごすわけにいかない」と強調。「受理は当然だが判断に敬意を表したい。厳正な捜査を望む」とした。

 自民党県第四選挙区支部の担当者は、「立ち上がったばかりの同支部の政治活動に係る資金として寄付をいただいたと認識している。国から公共工事を請けていたか否かも当時は知らず、法的には問題がないと認識している」とコメントした。受け取った献金は「道義的な観点」を理由に、2月16日付で全額返金手続きを終えたとしている。

伊勢新聞
5/3(水) 8:00
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