学校法人「森友学園」への国有地売却問題を巡り、ジャーナリストの門田隆将氏が産経新聞に寄稿した記事で名誉を傷つけられたとして、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉の両参院議員が産経新聞社と門田氏に計880万円の損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(舘内比佐志裁判長)は12日、同社と門田氏に計220万円の賠償を命じた1審・東京地裁判決(2022年11月)を支持し、同社と門田氏の控訴をいずれも棄却した。

 判決によると、森友問題では18年に財務省近畿財務局の赤木俊夫さん(当時54歳)が自殺。産経新聞は20年10月25日の朝刊で「杉尾、小西両氏が財務省に乗り込み、約1時間、職員をつるし上げている。当該職員の自殺はその翌日だった」とする門田氏の寄稿文を掲載した。

 産経新聞社と門田氏は訴訟で「一般読者はつるし上げを受けた職員と自殺した職員は別人と容易に理解できる」と主張したが、高裁判決は1審判決と同様に「つるし上げられた職員と自殺した職員は同じ人物を示している」と認定。寄稿文の掲載は「国会議員としての社会的評価を低下させた」として名誉毀損(きそん)の成立を認めた。

 産経新聞社広報部は「判決内容を精査し、今後の対応を検討する」とコメントした。【遠藤浩二】

毎日新聞
2023/4/12 20:08
https://mainichi.jp/articles/20230412/k00/00m/040/221000c