■放送法を巡り激高答弁 同僚も「見苦しい」

 高市早苗経済安全保障担当相が、放送法の政治的公平性を巡る問題で窮地に陥っている。立憲民主党の小西洋之参院議員が暴露した総務省の内部文書の一部を「捏造(ねつぞう)」と断言したことで野党の激しい追及を受け、進退に発展しかねない状況だ。けんかっ早い性格と開き直りの答弁が裏目に出たとの見方もある。

 「結構ですよ」。文書の内容当時に総務相だった高市氏は3日の参院予算委員会で、捏造でなければ閣僚や議員を辞めるかと問われ、たんかを切った。その後も委員長の制止を振り切って主張を続けたり、「信用できないなら質問しないでください」と食ってかかったり。同僚議員も「見苦しい」と嘆く、荒っぽい答弁が続く。

 状況は徐々に不利になっている。「受けたはずもない」と全面否定していた2015年2月13日の自身への大臣レク(説明)について、総務省が「あった可能性が高い」と説明。高市氏は「確認の取りようがない」「受けた可能性はあり得る」と答弁を後退させた。

 そもそも一連の文書が示した放送法の解釈変更に関する礒崎陽輔元首相補佐官からの働きかけで、高市氏は端役に過ぎない

信濃毎日新聞
2023/03/19 11:31
https://www.shinmai.co.jp/news/article/CNTS2023031900042