所管外でございます――。衆院予算委員会での河野太郎デジタル相の振る舞いに今、注目が集まっている。野党議員からの原発問題や、外交政策についての質問に対し、“所管外だから答えられない”という、なんともそっけない答弁を繰り返したのだ。この塩対応ぶりに、ネット上で批判が殺到し、大炎上の騒ぎとなっている。

こういう態度だから
 物議を醸した予算委員会が開かれたのは、2月13日のこと。政治部記者が言う。

「立憲民主党の議員が、河野氏に対し、“岸田総理と争った2021年の総裁選では、耐用年数の過ぎた原発の早期廃炉を公約に掲げていたが、(原発活用を推進する)岸田内閣に入閣し、考えを変えたのか”という趣旨の質問をしたところ、“エネルギー政策は所管外”とかわしたのです。また、河野氏が外務大臣時代の外交政策についての質問でも“所管外”を連発。合計12回に及びました」

 この河野氏の態度に、ネット上では、「こういう態度だから総理になれない」「自分に都合が悪いことを聞かれると逃げる人間」などと、批判が殺到。にもかかわらず、河野氏自身はツイッター上で、〈デジタル大臣が、外交政策やエネルギー政策に関して答弁することはできないのが議院内閣制のルール。それぞれ外務大臣、経産大臣に質問していただければ良いだけ〉と反論したものだから、さらに炎上。自民党の梶山弘志幹事長代行が、翌14日の記者会見で、「国会の審議において閣僚は、野党からの質問について真摯に答弁すべきだ」と述べるなど、身内からも苦言を呈される始末だった。

丁寧に説明すればいいのに
「河野氏は外務大臣だった2018年にも、閣議後の記者会見で日ロ関係について聞かれた際、“次の質問どうぞ”を3回繰り返し、大炎上を招いた。このときも、今回の件も、ルール上、答えられないということなら、丁寧にきちんとそう言えばいいだけの話なのに。なにも変わってないということがよくわかりましたね。そもそも、河野氏の大臣起用は、挙党一致を示す目的と、“政界きってのデジタル通”を買われてのことでしたが、成果を出すどころか、岸田政権の足を引っ張るだけの結果になりそうです」

 その一方で、怒りが収まらないのはもちろん、質問を無下にスルーされた立憲民主党だ。野党担当デスクが続ける。

「完全にメンツを潰されたわけですからね。河野氏への追及は、ますます強まるでしょうね」

 そんな中、河野氏ご本人の“過去の国会での質問”にも注目が集まっているという。

外務委員会ではございますが…
「自民党が野党だった2010年の国会での発言です。外務委員会の場で河野氏は、当時の前原誠司外務大臣に対し、前原氏が国交相時代に行った意思決定について質問していました。“ルールだと言っておきながら、自分だってやってるじゃないか”“盛大なブーメランだ”などと、野党幹部の間で盛り上がっていますよ」

 ではここで、当時の議事録を振り返ってみよう。2010年10月27日(水)に開かれた、衆議院外務委員会である(一部抜粋)。

○河野委員 「自由民主党の河野太郎でございます。外務委員会ではございますが、前原大臣の国交相時代のさまざまな意思決定についてお伺いをさせていただきたいと思います」

――河野氏、冒頭からさっそく、“所管外の質問”をすると宣言。

〇河野委員 「7月の22日でありますか、悪名高き現役出向を認める、つまり退職通算を認める法人が民主党政権によって相当数追加されました。この現役出向を認める法人、追加された数を見ると、圧倒的に国土交通省が多いんですね。大臣、幾つ追加されましたか」

国務大臣としての資質を
○前原国務大臣 「済みません。ちょっと数はわかりません。教えていただければと思います」

 この後、延々と国交相時代の質問が続き、前原氏は答え続けるも、さすがに耐えかねたのか、苦言を呈する。

2に続く

デイリー新潮
2/18(土) 6:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/918e2cdeaf678e05dfa8911d7efceda16c522d93