性的少数者(LGBTQ)への元首相秘書官の差別発言を受け、差別を禁止する法の制定を求める当事者らが14日、東京・永田町の参院議員会館で集会を開いた。「LGBT理解増進法案」の検討が進む中、当事者は「必要なのは差別がない社会を構築することだ」として、差別解消に向けた具体策を法案に盛り込むよう求めた。
 オンラインを含め全国から当事者ら約500人が参加。主催者代表としてあいさつしたトランスジェンダーの浅沼智也さんは、ハラスメントや入社拒否に遭った経験があるといい「どのようなセクシュアリティー(性のあり方)であっても差別されることのない生きやすい社会になる法律を」と述べた。
 法案の内容は議論が続いているが、差別行為をした事業者への指導や勧告などの措置は盛り込まれていない。
 インターネット上で「岸田政権にLGBTQの人権を守る法整備を求めます」の署名活動をしている松岡宗嗣さんは、既に5万筆超が集まったとし「困難に直面している当事者の声を聴いてください。理解増進法では今、起きている差別に対処できない」と訴えた。
 集会では、理解増進法ではなく差別禁止法を求める共同声明を決議した。近く首相と衆参両院議長に提出する。(奥野斐)

東京新聞
2023年2月14日 21時12分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/231163