苦しい釈明

岸田文雄首相の長男で首相秘書官を務める翔太郎氏(32)が炎上している。1月9日から15日までの首相による欧米5カ国歴訪に随行した際、パリやロンドンで現地日本大使館が用意した公用車を使って「観光」や「買い物」を楽しんでいたと週刊新潮に報じられたのだ。

【画像】こちらは美しすぎる秘書と今井絵里子議員のツーショット…!

パリでは観光名所を周り、夕食はビストロで堪能。ロンドンではビッグベンやバッキンガム宮殿を車で訪れ写真を撮影、超高級百貨店ハロッズで土産物を買い込む「物見遊山」ぶりだったという。

これに批判が殺到、26日、27日の官邸記者会見で磯崎仁彦、木原誠二官房副長官は、公用車の使用は「必要な範囲内での運用」で、公務以外の不適切な行動はなかったという苦しい釈明に追われた。

「ウクライナ戦争後の熾烈な国際情勢の中で、G7広島サミット議長国として根回しを行う今回の外遊は、日本の国益がかかる極めて重要な外交日程でした。防衛増税を表明し世間の反発を招き、政権支持率が30%を割り込むような厳しい状況が続く岸田首相にとって、『得意の外交』で挽回を図るために『絶対に失敗してはならない』ミッションでした。

それにもかかわらず、首相とは別行動をとり、後援会向けの広報資料でしょうか、観光名所を回って写真撮影を行い、デパートで『総理からの土産』をのんきに購入していたとすれば問題です。官邸は、必要な『公務』だったという弁明で切り抜けようとしていますが、野党による予算委員会での追求は必至でしょう」(政治部記者)

確かに、政務担当の首相秘書官といえば、首相の側近中の側近。外遊中であれば片時も首相のそばを離れずサポートするのが普通だ。北朝鮮を訪問した際に小泉純一郎首相を支えた飯島勲首相秘書官のように、その一挙手一投足が相手国政府の監視対象となりながら職務にあたる場合もある。本来であれば緊張感は半端ない。その自覚はあったのか。

「永田町で囁かれているのは、誰がリークしたかという点です。フランスに比べてイギリス滞在時の情報が妙に詳しいことから、ロンドン滞在をアテンドした英国大使館関係者など、翔太郎秘書官の『私的な用事』に駆り出されたことに不満を抱いた外務省関係者が誰かに愚痴をこぼし、それを聞いた者が週刊誌にリークしたのではないかという噂も出ています」(前出・政治部記者)

野党が予算委員会で追求する場合、公用車を私的に使ったのではないかという「公私混同」が問題となりそうだが、駐日デンマーク大使館で上席戦略担当官を務めた北島純・社会構想大学院大学教授は、次のように指摘する。

「政治家、特に本国政府の要人が来訪した際に接遇を行うことは、どこの国の外務省、大使館であっても重要案件で、まして首相であれば最大限のアテンドを行うものです。

今回の件は、そうしたアテンドの中で行われた政務担当首相秘書官の行動が、『公務』なのか『私的な用事』なのかが問題視されていますが、正確に言えば、岸田首相の『内閣総理大臣としての公務』に付随するものと言えるか、それとも『国会議員としての政務』に関係するものなのかという区別が重要になるでしょう。

例えば、外遊先での車両や会食の『費用』を誰が負担するのか、政府の負担か、あるいは政治家個人が負担するかは、事前の計画で厳密に分けられることが多いと思いますが、現地で突発的に起きる事象については、公務なのか政務なのかの峻別は実際には難しいと言える側面があります」

そうだとしても、翔太郎秘書官の問題はそれだけではない。週刊新潮の報道によれば、カナダではトルドー首相との記念写真に収まり、首相秘書官になる以前に何度も政府専用機に同乗していたという。

翔太郎氏が首相秘書官に抜擢されたのは、昨年10月4日。よりによって北朝鮮の弾道ミサイル発射でJアラートが誤発信され騒ぎになったタイミングだったが、将来の世襲後継者として「首相秘書官」という箔付けを与えるだけの「身びいき人事」ではないかという世論の批判を浴びた。

さらに昨年12月には、山際大志郎経済再生担当大臣の辞任やAPECでの日中会談といった「機密情報」を、翔太郎秘書官がフジテレビの女性総理番記者に漏洩していたのではないかと月刊誌「FACTA」が報じて、大騒ぎになった(フジテレビは情報漏洩を否定)。

続きはWebで

FRIDAYデジタル
1/30(月) 14:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/9661bfb10b03ac71a4d0ec55c554b3de6d8af949