世界平和統一家庭連合、いわゆる“統一教会”の田中会長が新年に信者に向けた挨拶で、「2023年は宗教迫害の絶頂を迎える覚悟」と話したことが分かりました。この発言に、被害を訴える元2世信者からは「原因が自分たちにあることに向き合っていない」など怒りの声があがりました。

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今月3日、いわゆる“統一教会”が韓国で開催したという新年のイベントの様子を公開した映像では、ナレーションで「真の父母様が入場され、ケーキカットをされ、新年を皆で祝いました」との説明が入っていました。動画では、会場だけでなくオンラインでも多くの信者が参加した様子も映し出されていました。

教団の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁がカットしたケーキには、「天地人」「真の父母」「新年の祝賀会」との文字が…。そして、総裁のメッセージを字幕付きで伝えました。

世界平和統一家庭連合 韓鶴子総裁
「天と人類の前に勝利者として誇らしく尊敬される皆さんになるように願います」

さらに私たちの取材で、田中富広会長も11日夜、教団の青年信者らの活動をたたえる非公開のオンライン式典で、「宗教迫害の絶頂を迎えていく2023年というふうに覚悟して挑戦していかないといけない」と、驚くべき発言をしていたことがわかりました。“今、宗教が迫害されている”という趣旨の発言です。

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去年、教団による霊感商法や高額献金の問題が浮き彫りとなりました。先月8日には、元2世信者の小川さゆりさん(仮名)が涙ながらに「どうかこれからも、私たち被害者がいること忘れないでほしいです」と訴えました。

小川さんらの切実な訴えもあって成立した「被害者救済法」は今月5日から施行され、法人が寄付を勧誘する際、霊感で不安をあおり寄付が必要不可欠だと告げるなどの行為が禁止となりました。また、悪質な勧誘行為に対しては国が是正命令を出し、命令に違反した場合は1年以下の懲役や100万円以下の罰金を科せることなどが盛り込まれています。

田中会長は“新年の挨拶”で、その被害者救済法については言及しなかったといいます。代わりに若い信者たちに対し、11日夜のオンライン式典で「2023年は“2世圏”がこの家庭連合をけん引していくことができるかどうか、それを担っていく主役になれるかどうか、これを見極める大切な1年にならざるを得ないというふうに感じております」「48歳以下の“2世圏”を主軸とした大きなうねりを作っていきたい」と激励しました。

さらに、教団が置かれている現状をふまえ、「この日本でキリスト教に対する宗教迫害、これが始まったとも言われる1623年、それからちょうど400年目です。そういう意味においては本当に、宗教迫害の絶頂を迎えていく2023年というふうに覚悟して挑戦していかないといけない」と述べ、「テレビで何か発言を聞いたり私たちを攻撃してくるような勢力と出会ったとしても、その向こうには必ず価値観があるし、思想があります」「価値観と価値観の闘いです」「人のために生きた方が、幸福感は深まる」と発言したといいます。

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私たちは12日夜、信者の元妻による高額献金で家庭が崩壊したと訴える橋田達夫さんに話を聞きました。橋田さんは憤りを隠せない様子でした。

元妻が“統一教会”信者 橋田達夫さん
「怒りそのものですよ! 『人のために生きる』とか彼(田中会長)は言っているけど、被害者のためになっていないですよね。責任者のコメントとしては全くゼロ!」

――「2023年は宗教迫害の絶頂になる」とのコメント、どう見た?

元妻が“統一教会”信者 橋田達夫さん
「僕なんかはこの宗教・教えがダメとか言っているわけではないんです。やはり彼らが行ってきた行動に対して手を挙げているわけで、僕は迫害をしてるつもりはないです」

――(今年は)どんな1年になってほしい?

元妻が“統一教会”信者 橋田達夫さん
「本当に被害者を早く救済できるような形になってほしい。悔しいですよ、もうね(田中会長の)コメント見た時に、こんなコメント出せるのかなと。僕、田中会長と本当に対談したいと思うんですよ」

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日テレNEWS
1/12(木) 23:51
https://news.yahoo.co.jp/articles/097ae33a6616ddf5bb63b819c46e5d36a12df077
https://youtu.be/DdXElkUATHM