2022年12月8日 07時46分

 日本が焦土と化した太平洋戦争は一九四一(昭和十六)年のきょう十二月八日に始まりました=写真は、開戦を伝える国民新聞(中日新聞社が発行する東京新聞の前身の一つ)夕刊。あれから八十一年。憲法九条に基づく「専守防衛」が大きく変質しようとしています。耳を澄ませば、戦争の足音が近づいてくるようです。
 戦後日本の防衛政策は、戦争放棄と戦力不保持の憲法九条の下で組み立てられてきました。日本の安全保障を米軍の攻撃力に委ね、日本の自衛隊は専守防衛に徹するという役割分担です。
 自衛隊の装備は自国防衛目的に限られ、「他国に侵略的攻撃的脅威を与える」攻撃的兵器は、あえて保有してきませんでした。
 それは日本人だけで三百十万人というおびただしい数の犠牲者を出し、交戦国だけでなくアジア・太平洋の人々にも大きな犠牲を強いた戦争への反省に基づくものでした。日本は再び軍事大国にならないとの誓いでもあります。


◆平和国家を歩んだ戦後
https://www.tokyo-np.co.jp/article/218651?rct=editorial