公明党の岡本三成衆院議員(57)が、政治資金パーティの収支を政治資金収支報告書に記載していないことが、「 週刊文春 」の取材でわかった。少なくとも2回のパーティ収入を記載しておらず、政治資金規正法違反の疑いがある。

 2018年6月11日、六本木ヒルズにて、「衆議院議員岡本三成君を励ます会」が開催された。この模様は、岡本氏本人のSNSや参加者のブログなどから確認できる。「岡本三成君を励ます会」の看板が掲げられ、岡本氏が壇上に立ち、公明党の山口那津男代表や石井啓一国交相(当時)、東京12区の地盤を後に岡本氏に譲る太田昭宏元代表らが相次いで壇上で挨拶。また自民党からは、当時外務大臣政務官だった岡本氏の上司にあたる河野太郎外務大臣も駆けつけている。

 だがこの「励ます会」を巡って、岡本氏の資金管理団体「三成会」の記載に不可解な点が見つかった。出席した河野氏や太田氏の資金管理団体の収支報告書を確認すると、河野氏は2万円、太田氏は3万円を「会費」として三成会に支出。同様に、自民党の柴山昌彦元文科相の資金管理団体も三成会に2万円の会費を支出している。

 だが、三成会の報告書には、この3人からの会費の収入が記されていない。それどころか、パーティの収支自体が一切記されていないのだ。実際に行われたパーティの収支が、帳簿上はどこにも存在しない、いわば“闇パーティ”とでも呼ぶべき状態となっている。

 同じ六本木ヒルズで2020年に政治資金パーティを行った竹本直一元IT担当相の場合、パーティ収入が504万円と記載されている。ほぼ同規模とすれば、約500万円のパーティ収入が“裏金化”していることになる。

 疑惑はこれだけではない。

記載されていない収入は1500万円に上る可能性も
 2019年11月15日にも、今度はホテルニューオータニで同じ「岡本三成君を励ます会」が開催された。この時も参加議員らは「会費」を収支報告書に記しているが、今度の宛先は「三成会」ではなく、「岡本三成君を励ます会事務局」となっている。だがこの事務局も住所は岡本氏の衆院議員会館の部屋になっており、岡本氏が取り仕切る事務局と思われる。ところが、「三成会」や、「公明党衆議院東京第12選挙区総支部」など、岡本氏が関係するどの団体の収支報告書を見ても、ホテルニューオータニで行われた「励ます会」の収支が見当たらないのだ。

 ちなみにこの会場は、パーティの写真からホテルニューオータニの「鳳凰の間」と見られるが、ここは安倍晋三元首相が「桜を見る会」の前夜祭でも使用していた、政治家御用達の広大なスペースで、立食なら最大500人を収容できる。仮に500人が政治資金パーティの相場である2万円を支払ったとすれば、約1000万円の収入となる。

 2018年、19年合わせて、合計1500万円に及ぶ可能性のある、巨額の不記載疑惑。

 政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授が語る。

「政治資金規正法違反にあたります。政治資金パーティを開いた場合、仮に収支がトントンで利益がゼロでも報告しなければなりません。2年連続で収支そのものが記されていないのは極めて悪質です」

 岡本事務所に尋ねると、概ね次のように回答した。

「ご質問のパーティは政治資金規正法第8条の2に規定された政治資金パーティです。ただし(政治団体ではなく)任意団体『衆議院議員 岡本三成君を励ます会』が主催したもので収支等を報告するには及びません。任意団体の代表者は定めておりません。(参加者が三成会に会費を支払ったとしている点は)領収書の発行者を『励ます会』とすべきだったが事務的なミスです。訂正等必要な手続きを行います。ご指摘の政治資金規正法違反には一切該当しないものと了解しております」

 だが、この説明に上脇氏は「言い逃れとしか思えない」と語る。

「そもそも代表者のいない任意団体が、別団体である三成会名義の領収書を複数の議員に発行できるはずがありません。百歩譲って『励ます会』が主催者だとしても、その団体が岡本氏の議員会館に住所を置き、2年連続でパーティを開くなど継続的に岡本氏を支えるための活動していることは明らか。任意団体ではなく政治団体として総務省などに登録し、収支報告書を提出しなければなりません。岡本氏の説明が通れば、政治家は全員、任意団体を使った“闇パーティ”開催が可能になってしまう」

続きはWEBで

文春オンライン
12/7(水) 16:12
https://news.yahoo.co.jp/articles/a702a377554bd9a2816540bf2d83061cdf65e64e