政党が「政策活動費」などとして政治家に支出し、その使い道を明らかにしなくてもいい政治資金が、2021年までの20年間で主要政党で約456億円に上ることがわかった。自民が総額約379億円で最も多い。歴代最長の約5年にわたって幹事長を務めた二階俊博氏に最多の計約50億円が支出されていた。

 総務省が25日に公表した21年の政治資金収支報告書と、02~20年の報告書(公表時点分)を朝日新聞が集計した。

 政治資金規正法は「政治活動を国民の監視と批判の下におく」ことを目的としている。政治団体の収支は報告書に記載することになっているが、個人に支出される「政策活動費」には使途の公表義務がない。

 21年の各政党の政治資金収支報告書によると、自民は二階氏や甘利明前幹事長ら25人に計約17億2800万円、国民民主は榛葉賀津也幹事長ら2人に計8200万円、立憲民主は福山哲郎元幹事長に5千万円、社民は福島瑞穂党首ら3人に計700万円を支出。日本維新の会は政党支部から馬場伸幸代表ら3人に計約5900万円を出していた。

 21年までの20年分の総額は、多い順に自民約379億3千万円▽旧民主約44億5千万円(06~15年。11年はなし)▽旧民進約10億4千万円(16~17年)など。ほかに維新約2億6千万円(16~21年)▽社民約1億円(15~21年)▽国民8200万円(21年)▽立憲8千万円(20~21年)▽れいわ新選組280万円(19~20年)。「組織活動費」や「組織対策費」の名目で支出する政党もあった。公明、共産、NHK党は該当する支出がなかった。

 議員では、二階氏が最も多額となる計約50億6千万円を受け取っていた。うち約47億7千万円は幹事長時代(16年8月~21年9月)に計160回にわたって支払われ、1回あたり30万~7210万円だった。次いで谷垣禎一元総裁が23億1千万円、安倍晋三元首相が20億5千万円と多く、いずれも幹事長在任時期に集中していた。

 政策活動費について、自民党幹事長室は取材に「党に代わって党勢拡大や政策立案、調査研究を行うために、党役職者の職責に応じて支出している」と文書で回答した。

朝日新聞
11/26(土) 19:45配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/52cdb24241d85fab39f96f9034e3401a2b320861