自民党の杉田水脈総務政務官は26日、総務省が取り組んでいるネット交流サービス(SNS)の誹謗(ひぼう)中傷対策キャンペーン「#NoHeartNoSNS(ハートがなけりゃSNSじゃない!)」について「存じ上げません」と述べた。衆院政治倫理・公選法改正特別委員会(倫選特)で立憲民主党の源馬謙太郎氏の質問に答えた。

 杉田氏に対しては、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、杉田氏が自身を中傷するツイッターの投稿に「いいね」を押し名誉感情を侵害されたとして損害賠償を求めている。20日の控訴審では、東京高裁が「限度を超えた侮辱行為で不法行為に当たる」として杉田氏に55万円の賠償を命じた。

 源馬氏は倫選特で「#NoHeartNoSNS」は総務省が行っている取り組みだと指摘したが、杉田氏は「その質問は通告をいただいていない」と回答した。「(誹謗中傷を受けた)伊藤さんがどういう気持ちになるか想像しなかったのか」と問われると、「係争中なので、答弁を差し控えさせていただきたい」と述べた。

 総務省が一般社団法人と運営している「#NoHeartNoSNS」の特設サイトでは、SNSで誹謗中傷を受けた際の相談窓口や投稿の削除依頼の手法などを紹介している。

 杉田氏は2018年、LGBTなど性的少数者について「生産性がない」と月刊誌「新潮45」へ寄稿している。杉田氏は委員会でこの件について「私自身は多様性は当然尊重すべきものだと思っている。引き続きLGBTの方々への理解増進、差別やいじめのない社会の実現に向けて努力してまいりたい」と答えた。【日下部元美】

毎日新聞
2022/10/26 13:03
https://mainichi.jp/articles/20221026/k00/00m/010/082000c