安倍晋三元首相の山口県民葬が15日行われ、県内外から多くの参列者が集い、しめやかに営まれた。「豊かな67年の人生だった」−。式典では喪主の昭恵夫人が遺族代表のあいさつで安倍氏の人生についてこう述べ、参列者をはじめとする関係者らに感謝の思いを伝えた。一般献花にも長蛇の列ができ、安倍氏との別れを惜しんだ。

会場の祭壇にある大きな遺影は、安倍氏が愛した山口県の山々と海を模した青色の背景に白と黄の花がアーチ状に施されるなど、鮮やかな装飾に囲まれた。

昭恵さんは遺骨を両手に抱え、ゆっくりとした足取りで入場。あいさつで「寂しさが増してきているような日々」と自らの悲痛な思いを吐露すると、参列者は目頭を押さえていた。

また、友人代表の安倍氏の後援会会長、伊藤昭男さんは安倍氏を「本当に多くの方々に愛された総理だった」と振り返りつつ、「どうか大空のかなたから、日本の発展、世界の平和と安定をお守りいただき、静かに安らかにお休みください」と追悼の辞を読んだ。

式典後の午後4時に始まった一般献花にも約8千人が参列した。開始2時間前から並んでいた鹿児島市の女性会社員(53)は「あんな亡くなり方で悲しいしつらい気持ちだ。ずっと手を合わせたいと思っていた」といい、「外交や経済政策など、日本のことを一生懸命に考えてくださり、ありがとうございました」と、安倍氏に向け感謝の思いを伝え花を手向けた。

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