新型コロナウイルスの水際対策が11日から大幅に緩和され、海外からの個人旅行が解禁された。円安も背景に、東京・羽田空港や千葉・成田空港は外国人観光客らでにぎわった。国内の観光需要喚起策「全国旅行支援」も始まり、コロナ禍で打撃を受けた観光関係者らの期待が高まっている。

「やっと夢がかなった」

 11日午前、ドイツから友人と2人で羽田空港に到着した会社員(54)は初来日に声を弾ませた。長年、日本の文化や景色に憧れを抱いてきたという。滞在は2週間の予定で、「今日は箱根で温泉、明日は大阪、京都で日本の伝統文化に触れるのが楽しみ」と話した。


パートナーの両親にあいさつするため来日した人も。オーストラリアから来た技術者(42)は、パートナー(40)と一緒に同空港に到着。「個人旅行の解禁で、やっと正式にあいさつができる」と話し、都内のパートナーの実家に向かった。

 水際対策の緩和は▽入国者数の上限撤廃▽ワクチン3回接種か出国前検査の陰性証明で入国時の検査不要▽海外からの個人旅行の解禁▽短期滞在のビザ(査証)の免除――などで、ほぼコロナ前の水準に戻った。

 2019年に約3188万人だった訪日客は昨年、約24万人に激減した。ただ、先月の水際緩和の発表後、国内到着の国際線の予約数は急増し、全日本空輸では12月〜来年1月分が発表前の5倍に。日本航空でも11〜12月が3倍以上となった。日航担当者は「円安が追い風になっている」と話す。

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