本来、国会とは国民の意志を実現する最高機関のはずである。にもかかわらず、その議論を妨げるのは、統一教会との蜜月関係が明らかになった、かの大臣の存在。うそと弁解を繰り返し、滑稽な姿をさらす中、新たに教団幹部との接点が。これぞ「底なし癒着」――。

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「山際大臣が辞めなければこの臨時国会で一本も法案を通さない」

 そう周囲に息巻くのは、立憲民主党の安住淳国会対策委員長である。

 安倍晋三元総理が凶弾に斃(たお)れて3カ月。賛否渦巻く中、国民を分断した国葬も終わり、政治の舞台は10月3日に開会した臨時国会に移った。そこで、

「野党の格好の餌食」(政治部デスク)

 となるのが山際大志郎経済再生担当大臣(54)だ。すでに、安住氏は立憲の各議員に「委員会で山際を追及しろ」と大号令を発しているという。

 当の山際大臣はこれまで、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との関係や関連する会合に出席したことを再三再四指摘されている。にもかかわらず、そのたびに会見で人ごとのように追認するという体たらく。3日の大臣会見では、2018年の統一教会のイベント出席時に韓鶴子総裁とあいさつを交わしたと発表し、本人は「当該団体と非常にニュートラルに付き合ってきた」と釈明した。しかし、地元の神奈川県川崎市で取材すると、ニュートラルどころではない濃密な関係が浮かび上がってくるのだ。

「10年ほど前から、統一教会の信者が山際さんの選挙スタッフに入り込んでいました。特に熱心だったのが、現在50代半ばの男性です」

 と語るのは、事情を知る地元政界関係者。

選挙のたびに事務所に出入り
 仮にその男性の名を田中陽介氏としよう。

「田中さんは選挙のたびに事務所に出入りし、山際さんが辻立ちする時のビラ配りなどをやっていました。それこそ昨年の選挙の時も熱心に活動されていた。静岡県が地元なんですけども、ほとんど帰っておらず、若い頃から神奈川県に住んでいました。山際さんの選挙区である川崎市高津区に一軒家を構えていたこともあり、選対事務所に自転車で通っていた。ただ、安倍元総理が銃撃された7月以降、支援者の電話にまったく出なくなり、行方知れずになってしまったのです」(同)

 山際大臣は自民党による統一教会との関係に関する調査で、「選挙におけるボランティア支援」「選挙支援の依頼」の項目での申告がない。だが、14年12月の選挙前には山際大臣自身がフェイスブックで「チームやまぎわ」の一員として田中氏と共に写る写真を紹介している(本誌「週刊新潮」の取材後に削除)。これは「選挙支援」以外の何ものでもあるまい。

 山際大臣が統一教会と蜜月になったのは、09年、民主党への政権交代選挙で落選して以降のことだった。

落選以降、信者の出入りが本格的に

 当時、後援会に所属していた元支援者が証言する。

「昔から、教団の機関紙を持ってくる信者が事務所に出入りしていました。だけど、私が後援会にいた落選前の時点では統一教会との関係は深くなかったな。当時の後援会は会長を置かず、副会長的な立場の4人の合議制でした。山際さんは酒も飲まず“金がない”“金は使わない”というのが口癖。自身が経営していた動物病院の役員を議員になった後もしばらく続けながら、野心家で財をなしたいという思いが強かった」

 それゆえなのか、

「普段は上から目線の発言が多く、プライベートもほとんど明かさないので人望がなかったんだよ。落選して、後援会は事実上の解散、6人くらいいた地元の秘書も全員辞めてしまった」(同)

 落選後、山際事務所に私設秘書としてある男性が入所。後に統一教会との窓口役を担うことになる。

 先の政界関係者が言う。

「統一教会の関連団体など、付き合い自体は初当選時からあったのですが、落選以降、私設秘書の男性を介して、山際事務所には複数の教団関係者や信者が本格的に出入りするようになりました。田中さんもその一人だったんです」

続きはWebで

デイリー新潮
10/12(水) 5:56
https://news.yahoo.co.jp/articles/41e2da83c715ec7f4e16961aab23dcae3a25fc65