臨時国会がようやく召集され、5日から代表質問が始まる。焦点は言うまでもなく、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)をめぐる一連の問題だ。

 野党は徹底追及の構えだが、防戦一方の自民党はズブズブ幹部を中心に嘘とゴマカシで教団保護に汗をかいている。先頭に立つのは、旧統一教会丸抱えでバッジをつける文教族ボス格の萩生田政調会長だ。

 立憲民主党を中心とする野党が要求しているのが、旧統一教会に対する宗教法人解散命令の請求だ。判断は裁判所に委ねられる。

 にもかかわらず、所轄する文化庁は文教族の顔色をうかがっているのか、「教団の役職員に対する刑事罰が確定した例がない」と早々に防衛線を張ったが、この間も消費者庁や法務省が設けた相談窓口には訴えが殺到。手をこまねいているわけにはいかないだろう。

 各党の政策責任者が一堂に会したNHK「日曜討論」(2日放送)では立憲の長妻政調会長が「統一教会の解散請求についても国会で是非を議論していきたい」と発言。それを受けた萩生田氏は「所轄庁から申し出ができますけれど」と言いながら手元の資料をガン見し、「〈法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと〉〈宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと〉と規定があります」と宗教法人法81条(解散命令)を読み上げ。「その判断を国会が直ちに行うのは難しいと思います」と牽制した。

「われわれの関与が結果として教団の信頼を高めることに寄与してしまったのではないかと反省している」とも言っていたが、やっぱり口先だけ。旧統一教会との長く深い縁は断ちがたいのか。まるで、番犬だ。

■時間稼ぎで形勢逆転

ジャーナリストの鈴木エイト氏はこう言う。

「萩生田氏は教団に首根っこをつかまれている。予想通りの展開です。のらりくらりで時間を稼ぎ、世間が〈いつまで統一教会をやってるんだ!〉と言い出して野党に逆風が吹くのを待つ戦略なのでしょう。野党には国政調査権も行使して徹底的に調べてほしい」

 会期は12月10日まで。時間切れなら延長だ。

日刊ゲンダイ
22/10/05 06:00
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