国葬の評価について、石埼学龍谷大教授(憲法学)に聞いた。【聞き手・加藤明子】
  ――国葬はどう映ったか。

 ◆安倍氏の生前の姿が国葬の会場で上映されると知り、その内容が政治的な宣伝をしようとするものであればよくないと思ったが、安倍氏を過剰にほめたたえるわけでもなく、穏当な内容だった。岸田文雄首相の追悼の辞を含め、国葬を政治利用しようという意図は全く感じられなかった。全体を通して宗教性もなく、憲法学者として何も問題を感じなかった。

 ――国葬実施には「法的根拠がない」「国会の関与が必要だった」などと批判が相次いだ。

 ◆今回の国葬は国民の権利を制限したり、国民に義務を課したりするものではない。そのため、国会が制定した法律の根拠がなくても、内閣が閣議決定で国葬を実施することは憲法上問題はない。

https://mainichi.jp/articles/20220928/k00/00m/010/168000c