世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と政治家との関係が問われる中、細田博之衆院議長(島根1区)が口を閉ざしている。教団友好団体の集会でのスピーチなど複数の接点が指摘されているものの取材に応じず、自民党の調査も対象外で真相は不明のままだ。説明責任を果たさない姿勢に、地元支持者からも疑問の声が上がっている。

 「統一教会との関係性について一言お願いします」―。臨時国会初日の8月3日。国会内で報道各社が問いかけたものの細田氏は無言で立ち去った。共同通信が7~8月に全国会議員を対象に実施したアンケートも無回答。9月9日、山陰中央新報社が国会事務所を通じて取材を申し込んだが応じなかった。理由について事務所は「ノーコメント」とした。

 議長就任で党派を離脱しているため、8日公表の自民党の調査が対象外だったことも不信感に拍車をかけた。自民党の要職経験者は「なぜ調査されないのか不思議だ」と指摘。公明党の石井啓一幹事長は9日の記者会見で、細田氏自身が自発的に確認するのが望ましいとの見方を示し「三権の長であり、自ら点検されるのではないか」と述べた。

 細田氏の姿勢に、地元支持者の思いは複雑だ。党松江支部の立脇通也支部長は、細田氏自身が判断することだと主張。「信頼しているので、問題がある付き合い方はないと信じている」と行方を見守る。

 一方、党木次支部の吾郷広幸支部長は「議長が率先して模範を示さないと政治不信を招く。本当の事を言ってくれたらすっきりと応援できる」と求める。

 党島根県連の絲原徳康幹事長は「今回は党の調査の対象外になっているが、しっかり説明をして国民に理解してもらうことが必要だ」と述べた。

山陰中央新報
9/10(土) 11:23配信
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