旧統一教会側との関係は世襲なのか 細田、岸田、中曽根、宇野…父や祖父も接点の疑い 党の点検は十分?:東京新聞 TOKYO Web:
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2022年9月7日 06時00分

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係は断つ—。自民党総裁の岸田文雄首相はそう宣言したが、本当にできるのか。壁になるのは、接点を持つ議員の多さだけではない。関係の深さもだ。教団側の古い文書を読むと、名の知れた世襲議員に関しては、父や祖父も接点を疑わせる記述が見つかった。地盤や看板のみならず、教団側との関係も世襲されるのだろうか。世代を超える関係は清算する術があるのか。(特別報道部・岸本拓也、山田祐一郎)

◆細田衆院議長や岸田首相の父、教団系政治団体の文書に名前

 教団と政治家の関係を巡り、共同通信が8月に行った調査で無回答だった1人、細田博之衆院議長。NPO法人「日韓トンネル研究会」の顧問だったと報じられている。このトンネルは教団の創始者の故・文鮮明氏が唱えたとされる。研究会の会報を見ると、細田氏は2019年6月の総会で顧問に就任したとあった。法人側に事実確認のメールを送ったが、6日夕までに回答はなかった。

 教団系の政治団体、国際勝共連合の機関紙「思想新聞」をさかのぼると、新たな疑惑が浮かび上がった。

 1990年3月25日付では、反共の理念に同調する勝共推進議員の名簿が掲載され、細田氏の名が書かれていた。86年8月17日付の残暑見舞いのページでは、政治家の氏名が記された長方形の枠が並び、その一つに「衆議院議員 細田吉蔵」とあった。亡くなった細田氏の父の名だ。

 細田氏と似た例が岸田首相だ。共同通信の調査に無回答だったが、熊本県での後援会長が教団と接点を持つと報じられた。そして86年1月1日付の思想新聞のうち、新年を祝うページでは、ずらりと並ぶ長方形の枠の1つに「衆議院議員 岸田文武」と書かれていた。今は亡き父の名だ。

 この長方形の枠について元博報堂社員で作家の本間龍氏は「名刺広告と呼ばれ、時節のあいさつなどに合わせ、新聞社や広告代理店が『名前を出しませんか』と広告をお願いするものでは」と解説。「これほど大物の名刺広告が並ぶのは珍しいが、これだけでは関係の深さは測れない」と語る。

 2人の故人は広告を出したのか。勝手に載せられたか。細田氏の事務所は問い合わせに無回答だった。岸田氏の事務所は「当時の事務所関係者は在籍していないことから全く確認しようがありません」と答えた。

◆中曽根家は3代に渡り接点か
 世代を超え、教団側と接点を持ったことが疑われるのは中曽根家もだ。

 元首相の故・康弘氏は先の勝共推進議員名簿に載っていた。90年3月に開かれた勝共連合の関連会合であいさつしたと思想新聞に記録されていた。その長男の弘文参院議員、孫の康隆衆院議員は本紙のアンケートに応じている。弘文氏は教団系の月刊誌の取材を受け、康隆氏は教団関連施設で選挙支援を求めるあいさつをしたと認めている。

 教団との接点に「世襲的」な側面があったのか、改めて質問を投げかけると、弘文氏の事務所は「推進議員名簿に中曽根康弘の名前が掲載されていたかどうか当方は全く知らず、関知していない。親子であるから、受け継ぐとか受け継いでいないかとの質問は、独立した国会議員に対していかがかと思う」と回答した。

 勝共推進議員名簿に掲載され、後に首相になったのが故・宇野宗佑氏。娘婿で元衆院議員の治氏は10年ほど前から日韓トンネル推進全国会議の会長に就く。治氏は電話取材に「知人に頼まれて会長になったが、トンネルに旧統一教会が関連しているとは知らなかった」と釈明。「(勝共連合が)おやじを応援していたことは知っているが、私の時は組織的な応援やつながりはなかった」と話した。

(略)

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