立憲民主党と日本維新の会の新たな執行部が始動した。有力な野党の存在は国会に緊張感を与え、政策論議を深めていくうえで欠かせない。権力を監視する役割とあわせ、日本が直面する課題への具体的な対案を示して存在感を発揮してもらいたい。
立憲民主党は昨年の衆院選と今年の参院選でともに議席を減らした。続投した泉健太代表は執行部を一新し、幹事長に岡田克也氏、国会対策委員長に安住淳氏、政調会長に長妻昭氏を充てた。

旧民主党政権で閣僚を務めたベテラン起用の狙いは、安定性重視だろう。だが12年以降の大型国政選挙で野党が8連敗している原因をきちんと検証すべきだ。

安倍政権では様々な疑惑が浮上し、立憲は対決姿勢を強めて事実解明に一定の役割を果たした。しかし与党の支持率が低下しても、多くは無党派層に吸収された。国会戦術や野党共闘のあり方をめぐる党内論争にケリをつけ、政策面でもっと勝負してもらいたい。

日本は低成長、少子高齢化、エネルギー不足、近隣国の軍事的脅威などに直面している。こうした懸案にどう対処すべきだと考えるのかを曖昧にしたままで、政権担当能力は示せない。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK0286P0S2A900C2000000/