選挙で全面支援を受けながら、自民党が旧統一教会との関係を断つ方針を示した途端、手のひら返しの「絶縁宣言」だ。

 7月の参院選の比例代表で当選した自民党の井上義行議員(59)が8月31日、<今後は党の方針に従って、一切の関係を断ちます>とコメントを発表。旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の「賛同会員」を辞めたことを明らかにした。

 井上氏は選挙期間中の7月6日、さいたま市文化センターで開催された旧統一教会の集会に参加。幹部から「うちの教会、うちの組織もたくさん問題があります。この問題を支援してくださる方が井上義行先生でございまーす。井上先生はもうすでに信徒となりました。私も大好きになりました」と持ち上げられ、会場からは「井上義行コール」が沸き起こった。

 井上氏は安倍の元首相秘書官で、2019年の参院選に全国比例から出馬したが、約8万8000票で落選。しかし7月の参院選は、旧統一教会の全面支援を受けた結果、3年前の2倍近い16万5000票余りを獲得し、当選した。

 ところが旧統一教会が社会問題化すると、一転、絶縁宣言。この「裏切り行為」を教団はどう受け止めているのか。

「井上議員の今回の言動? 非常に残念ですね。もう応援できないというよりも、選挙公約として同じ方向を向いていただけるということで応援したので、それをしっかりやって欲しい。選挙に受かったわけですから『ちゃんとやってね』『ちゃんとしてねって感じです』と声を小さくして言いたいんですけど、今回は『残念です』とだけ申し上げておきます。後足で砂をかけるようなもの? そうですね。腹立たしい? そんな発言をしようものなら日刊ゲンダイさんに書かれてしまうので、丁重に『残念でございます』とお答えしたいと思います」(家庭連合広報部)

■全面支援のおかげで2億5000万円が転がり込む

 旧統一教会の支援で当選した井上氏は6年間の議員生活を手に入れ、その間、手にする歳費は1億3080万円。さらに月100万円の調査研究広報滞在費、年間780万円の立法事務費が加わり、これだけで2億4960万円の収入になる。

 保身のためなら、なりふり構っていられなかったのだろう。

日刊ゲンダイ
9/2(金) 16:02
https://news.yahoo.co.jp/articles/fbe2cd7cfc889f593edd95514152056a9ffffeeb