新型コロナウイルスに感染した岸田文雄首相は22日夜、リモートで執務する首相公邸からオンライン取材に応じた。先の内閣改造・自民党役員人事後、複数の閣僚や党幹部と旧統一教会との関わりが判明したことを踏まえ、本紙が人事を見直す考えをただしたのに対し、首相は「歴史を画する課題に対応するためにはどういった人材が求められているかといった観点から人選した」と否定。一方、党所属議員には「過去の説明をし、未来に向けて関係を断つよう徹底していくことは重要だ」と述べた。
 首相は、党と旧統一教会の「組織的な関係はなかった」と重ねて強調。その上で「(党所属議員)一人一人の事情はさまざまなので、それぞれの責任で明らかにし、説明することが基本だ」と指摘した。
 政府の新型コロナ対応では、感染者の急増を受けた医療機関や保健所の負担軽減策を一両日中に発表すると表明。感染拡大防止と社会経済活動を両立させる「ウィズコロナに向けた新たな段階への移行について、早急に方向性を示す」と訴えた。
 自身の体調に関しては「幸いにして軽症で済んでいる」と説明。12日に4回目のワクチン接種を受けた効果だという見方を示し、重症化リスクが高い高齢者らに積極的な接種を呼び掛けた。
 首相は夏休み中に微熱やせきの症状が出たため、21日午前にPCR検査を受けて感染が分かった。30日まで公邸で執務する予定。(坂田奈央)

東京新聞
2022年8月22日 20時55分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/197471