安倍晋三元首相の国葬の中止を求める憲法学者らが22日、東京・永田町の衆院第1議員会館で記者会見し、「国葬を行う根拠法がない」などと法的な問題点を指摘、23日から開始予定のオンライン署名への賛同を訴えた。署名の呼びかけ人は、この日会見に出席した4人を含む有識者ら17人で、約1カ月間をめどに募るという。
 会見で、石村修・専修大名誉教授(憲法学)は国葬について「根拠法もない上、憲法を軽視する態度を取ってきた安倍氏を国葬とするのはおかしい」と強調。五野井ごのい郁夫・高千穂大教授(政治学)は「法的根拠がない国葬に税金を使うのはいかがなものか」と話した。
 田中優子・法政大前総長は「国葬は明治時代から敗戦までの、大日本帝国の遺物。国葬にも、大日本帝国への回帰にも、反対します」とのメッセージを寄せた。呼びかけ人には他に、上野千鶴子・東京大名誉教授、作家の落合恵子さん、ルポライターの鎌田慧さん、文芸評論家の斎藤美奈子さん、中島岳志・東京工業大教授らが名を連ねた。
 事務局の市民団体「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」によると、署名は23日から専用サイト「Change.org」で行う。(奥野斐)

東京新聞
2022年8月22日 19時34分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/197455