岸田首相は15日の全国戦没者追悼式の式辞で、安倍晋三・元首相が2020年の式辞で初めて用いた「積極的平和主義」の文言を踏襲した。安倍氏の外交姿勢を継承する方針を内外に示す狙いがあったとみられる。

積極的平和主義は、日本の安全保障の基本理念。国民の生命を守りつつ、世界の平和と安定のために積極的に取り組んでいくものだ。

首相は式辞で、「積極的平和主義の旗の下、国際社会と力を合わせながら、世界が直面する様々な課題の解決に、全力で取り組んでまいります」と誓った。昨年の菅前首相も積極的平和主義を使用していた。

 また、安倍氏が17年に使った「 未いま だ争いが絶えることのない世界」との表現も復活させた。ロシアのウクライナ侵略などを踏まえたとみられる。

 ただ、式辞全体では、菅氏とほぼ同じ内容で、6日に広島市で行われた平和記念式典でのあいさつとは異なり、「岸田カラー」は見られなかった。

https://www.yomiuri.co.jp/politics/20220815-OYT1T50181/