自民党の安倍晋三元首相の銃撃殺害事件以降、改めて活動実態に関心が高まっているのが、会見を開いた「世界平和統一家庭連合」(旧世界基督教統一神霊協会=統一教会)だ。

 旧統一教会による霊感商法被害者の救済活動に取り組む全国約300人の弁護士でつくる「全国霊感商法対策弁護士連絡会」は昨年9月、旧統一教会のフロント組織である天宙平和連合(UPF)主催のウェブ会合で基調演説した安倍氏の行動を、<日本社会に深刻な悪影響をもたらす>として問題視。安倍氏にあてた抗議文を提出していた。

 文書には、<昨今、国会議員や地方議員の方々が統一教会やそのフロント組織の集会・式典などに出席し祝辞を述べ、祝電を打つという行為が目立っています。これらの議員の方々の行為は、統一教会により、自分達の活動が社会的に承認されており、問題のない団体であるという「お墨付き」として利用されます>、<各種の公職選挙法で定める選挙に旧統一教会信者らの支援を受けないで下さい。結果として信者らの反社会的行動をあおることになります>とあり、国会議員などの政治家と教会が「近しい関係」になることを強く懸念しているのだが、教団関係者はどのようにして国会議員に近づくのだろうか。

 元自民党本部情報局国際部主事で、福田赳夫元首相の秘書を務めた中原義正氏は、「私が中野(四郎・国土庁長官)先生の秘書官を務めていた1970年代半ばごろにはすでに、彼ら勝共連合(統一教会の政治団体)は永田町で積極的に動いていた」と振り返り、こう続ける。

「具体的には、議員会館の自民党国会議員の事務所に突然、『お手伝いさせてください』と訪ねてくるのです。それもひっきりなしに。容姿端麗な女性がだいたい1~2人で、年齢は20代後半ぐらいだったと記憶しています。給与などはいらず、すべてタダ働き。よく働いてくれるものだから、当時、ほとんどの自民党議員の事務所が採用していたと思います。(疑問を持たなかったか?)いや、岸(信介元首相)さんが(旧統一教会教祖の)文鮮明氏と親しい関係だったからなのか、当時は思わなかった。その後、確か勝共議員連盟が作られ、ほとんどの自民党国会議員は参加していたはず。その流れが今も続いているのではないか」

 いやはや、これでは憲法で定められた「政教分離」の原則もあったものではない。

日刊ゲンダイ
7/14(木) 9:06
https://news.yahoo.co.jp/articles/5241353e8e963b561334db9c953a741016054624