現場から不満が噴出している。連合の芳野友子会長は、28日、参院愛知選挙区(改選数4)から出馬している立憲候補と国民候補を応援するために名古屋入りする予定だ。ところが、地元からは「迷惑だ」とブーイングが上がっている。

 芳野会長が弁士として駆けつけるのは、午後1時から名古屋駅前で行われる<立憲民主・国民民主・連合愛知>による3者合同の街頭演説会。本来、愛知県は野党の地盤だ。前回2016年の参院選も、民進党(当時)の公認候補は2人とも当選している。しかし、今回は、立憲と国民に分裂した2人が、共に当選するのは難しくなっている。

 合同演説会は、異例のスタイルで行われる。連合愛知によると、立憲候補と国民候補が、それぞれ自前の街宣車に乗って、自前のマイクを使って演説するという。合同演説会ならば、1台の街宣車に立憲、国民、芳野会長の3人が仲良く並ぶのが自然だが、立憲と国民は2台の街宣車にバラバラに乗り、芳野会長は、どちらか片方に乗るという。

「合同演説会という発想がおかしい」

 ある陣営の関係者がこう言う。

「6年前も議席を争ったが、2人は同じ政党の仲間でした。でも、今回は他党の対立候補として命懸けで戦っている。同じ街宣車に仲良く乗れるはずがありません。そもそも、合同演説会という発想がおかしい。一緒に演説しても票は増えませんよ。貴重な時間を集票効果の薄い合同演説会に割かれるのももったいない。それでも、候補者は連合の要請を断れなかったのだと思う。どうせ、両党の支援組織である連合トップの芳野会長の“やっている感”を演出するための企画でしょう。スリーショットにしたかったのだと思う。もし、本気で2議席獲得を考えているなら、芳野会長は、トヨタの工場に行って『立憲、国民の2人とも当選させて欲しい』と組合員に頭を下げた方が、よほど効果がありますよ」

 自民党の麻生副総裁と楽しく酒を酌み交わした芳野会長が現地に入って、どのくらい票が増えるのだろうか。

日刊ゲンダイ
22/06/27 13:40
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