大阪府の吉村洋文知事は30日の府議会本会議で、府と大阪市の共同部局が昨年12月に結んだ中国・武漢との港湾提携について「国防の観点から、問題があるなら当然やめるべきだと思うが、そうとも思わない」と述べ、協力関係を維持する考えを示した。西野修平府議(自民)に対する答弁。

提携を巡っては、交流サイト(SNS)上で中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に組み込まれたのではないかと物議を醸した。提携の覚書に「一帯一路」の文言はなく、日本の民間団体と武漢を抱える中国・湖北省人民政府が都内で主催した「説明会」の席上で提携が締結されたが、この説明会のプログラムに「一帯一路」の記載があった。

無関係だと改めて訴える吉村氏に対し、西野氏は、中国メディアの報道は「一帯一路」への参加を想起させる表現だったと指摘。中国側の戦略に利用されており、経済安全保障の観点からも「港湾管理のガバナンスを改めるべきだ」と提起した。

吉村氏は、締結時に部局側から自民府議団幹部らにも説明が行われていたとし、「問題視するなら本来提携時に指摘すべきだ」と反論。「(提携は)港湾の国際競争力を強める取り組みだ」と意義を強調した。「選挙前になって何か(今回の話が)出てきた」とも語った。

産経新聞
2022/5/30 22:30
https://www.sankei.com/article/20220530-AQIPDFTS75IGRFKJKPSLLTWNHM/