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2022/05/07(土) 08:58:13.72ID:CAP_USER9封筒渡され「今年もよろしく」
証言によると、長年にわたって元区幹部が職員に参加を求めていたのは、自民党豊島総支部の政治資金パーティー「春のつどい」。2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止されているが、それまでは毎年3月にJR池袋駅近くのホテルで開かれていた。会費1万円で区議や支援者のほか自民党の現職閣僚ら数百人以上が参加する大規模パーティーだ。
「現職の自民党区議から『これを配ってくれ』『今年もよろしく』と束になった封筒が毎年渡されていた」。10年以降に部長を務めた元区幹部はこう明かした。受け取った封筒にはパーティー券と案内状が入っており、部長在任中は部下の課長に配って回ったという。
政治資金規正法は公務員に対し、政治資金パーティーの会費を支払わせ、参加を求めることを禁じている。公訴時効は3年だ。
この元区幹部は「(パーティー参加の)要求が禁じられていることは分かっていたが、区議から参加を強制されていないし、私も部下に強制していない。部下に配る時も『参加は自由だからね』と伝えていた」として違法性はなかったとの認識を示す。
証言によれば、初めて案内状を渡されたのは約20年前の課長時代だった。上司に「参加しないといけないのか」と尋ねると、「そんなこと聞くものじゃない」と言われた。自身は「仕方ない」と会費を支払い、退職まで参加を続けたという。
一方、他の元区幹部も「春のつどい」で参加依頼が慣例化していたことを認めた。
ある元区幹部は「自民区議にこちらからお願いすることもあるし仕方ないと思っていたが、個人的には理不尽だと感じていた」などと語った。「認識が甘かった」と振り返る元区幹部もいた。また、部下にパーティー券を渡していたという別の元区幹部は「部下には『自由でいいよ』と言っていたが、パーティー券を渡すということは『行け』ということだった」として、実質的に「強制」だったことを否定しなかった。
異様な蜜月ぶり
「春のつどい」で参加依頼があったことを認めた元区幹部は4人に上った。
区の部長らにパーティー券を渡していた政治家はどのような認識だったのだろうか。自民党に所属していた元議長2人が取材に応じた。
うち1人は「春のつどい」で区議や区幹部の参加依頼行為があったことを認めた上で、「1980年代からやっていた」などと証言した。もう1人は自身の職員への参加依頼行為を否定し、「区議1人当たり30枚さばくことになっていたので、民間に依頼した」と説明した。
一方、2人は自身の議長就任パーティーに職員が参加していたことも明かした。1人は自身で「部長さんに声をかけた」とし、もう1人は「区幹部から『こちらでさばきますから』と言われたのでお願いした。職員はそんたくするだろうし、断れなかったと思う」と振り返った。2人とも「政治資金パーティーではなかった」と釈明している。
取材に応じた元区幹部の1人は議長就任パーティーに参加しており、「私たちの仕事は議会を円滑に進めることだと思っていたので当然のようにやっていた」と語った。このパーティーには、議会事務局の職員が休暇を取って受け付け業務をしていたとも明かし、議会と区の異様な「蜜月ぶり」をうかがわせた。
毎日新聞は、自民党豊島総支部に「春のつどい」で区職員への参加依頼行為が慣例化していたことなどについて質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。
政治資金規正法に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「予算案や条例案などを議会で通したい公務員は、与党の議員に対して立場が弱くなり、特定の政党に利用されてしまえば、行政をゆがめることになる。公務員が議員とやり取りした場合はすべての記録を残し、後からチェックできるような仕組みをつくるべきだ」と指摘している。【安達恒太郎、林田奈々】
毎日新聞
2022/5/6 19:00
https://mainichi.jp/articles/20220506/k00/00m/040/218000c