2025年大阪・関西万博の会場となる大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)への交通アクセス改善に向けて整備が進む阪神高速「淀川左岸線」の2期工事について、大阪市は総工費が約1000億円増えるとの試算をまとめた。予定地で土壌の問題が発生し、地盤沈下や液状化対策で工法の変更などが必要になった。費用の上振れは2回目で、総工費は当初の想定から2・5倍の約2900億円に膨らむ見込み。

淀川左岸線は大阪市中心部と夢洲をつなぎ、27年3月の開通を目指している。2期工事は約4・4キロで大部分は地中のトンネル構造となる。万博期間中は市中心部と会場を結ぶシャトルバスの専用道として先行的に利用する計画になっている。

 市などによると、21年9月、地盤沈下や液状化対策のため地中にくいを打つ工事で、周辺の民家の地盤に異常が発生。軟弱地盤が原因とみられている。セメントを用いた工法への変更などを検討したところ、追加で約1000億円がかかると試算された。市の担当者は万博への影響について、「工法を変更して工事が遅れても、万博のシャトルバスの運行はできると考えている」と話している。

淀川左岸線2期工事について、市は当初、総工費を約1162億円と見込んでいたが、土壌汚染が広範囲に確認された影響などで20年11月に約756億円増え、1900億円超になっていた。費用は国が55%、市が45%負担する。【野田樹】

毎日新聞
2022/3/1 21:35
https://mainichi.jp/articles/20220301/k00/00m/040/206000c