東京都は27日、新型コロナウイルスの自宅療養者のうち、基礎疾患がない50歳未満の軽症・無症状者については、患者自身に日々の健康観察をしてもらう体制に切り替えると発表した。対象となる療養者の体調悪化時の相談窓口として「自宅療養サポートセンター(略称うちさぽ東京)」を31日に開設する。(加藤健太)

 都内の自宅療養者は27日、初めて5万人を突破。都は「医療資源に限界があり、全員に完璧な健康観察をするのは現実的ではない」と、リスクに応じた簡略化を図るとしている。

◆保健所から「うちさぽ」に
 従来は、保健所などがすべての患者に毎日、電話や無料通信アプリ「LINE」などで連絡を入れ、健康状態を確認してきた。今後は自分で健康観察をする対象と判断された人に、保健所から一度メールで連絡した後は毎日の連絡はせず、患者が体調の異変を感じた時に、うちさぽに自ら電話してもらう。うちさぽは300回線を設け、24時間体制で医療機関につなぐほか、食料品の配送も受け付ける。
 神奈川県は、重症化リスクが低い感染者は医療機関を受診せずに自宅療養を開始できる仕組みを導入したが、都は全員を受診対象とする。自宅療養者のうち入院調整が必要な高齢者らは保健所が、50歳以上で基礎疾患がある人は都のフォローアップセンターが健康観察を行う。
 都は1日2万人の感染者が10日間続いた場合、約19万人が自宅療養者となり、うち約12万人が自分で健康観察する対象になると見込む。

東京新聞
2022年1月27日 22時04分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/156793