新聞記者 英国ガーディアン紙による酷評レビュー

『このドラマの中の日本政府は、果たして我々の政府よりも腐敗しているのでしょうか?』

Netflixの新しい日本ドラマ「ザ・ジャーナリスト、新聞記者」は、公金を吸い上げる腐敗した政府を描いたもので、まるでそれは日本ではなく自国のことを描いているような錯覚を覚えます。

このドラマは、恐れを知らずに真実を伝える報道という、ある種のファンタジードラマです。もし本当にこんな主人公がいるなら余程愚直で変わった人なのでしょう。第1話では、新聞ジャーナリズムは、ネットで流されるフェイクニュースとは全く別の高貴な学問だと言うことを示唆しながら政府の不正行為について幼稚な見解が示されます。

政治的な分析も同様に幼稚なもので、登場人物たちのさまざまな不幸の根本原因が『資本主義』にあるという考えが、ドラマの中に常に示唆されますが、結局その原因がドラマの中で特定されることはありません。新聞社は、自己中心的な振る舞いをせずに被害者に寄り添う企業として美しく描かれ、目に見えない政府の「上層部」からの干渉と永遠に闘い続けると言う陳腐なストーリーです。また警察はドラマの中で政府の不正に対する捜査を何度も放棄します。これも、どの国でも見られる極めてありふれたモチーフです。

https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2022/jan/13/the-journalist-review-is-this-japanese-dramas-government-more-corrupt-than-ours