お元気ですか?東京オリンピック中止論者の皆さん。「その後」の発信をチェックしてみた
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【回顧2021】安倍元首相「今出てこないですね」

SAKISIRU編集部 2021年12月29日 06:00

今年も残り3日。コロナの感染はオミクロンの市中感染は気がかりなものの、各国が今でも感染拡大に苦しむ中、日本は9月以降、新規感染者数の数はほぼ収束し、新年を迎えようとしている。

ただ東京オリンピック・パラリンピックが開催された7〜8月は「感染爆発」と揶揄されるほどの惨状だった。「海外からウイルスを持ち込む懸念」といった非難を含め、さまざまな異論があったが、大会は成功裡に終わった。

そうした中で、首相在任中に大会招致を決めた安倍晋三氏が26日、BSテレ東の「NIKKEI 日曜サロン」の発言がネットで注目されている。

番組はこの1年を振り返ったものだが、番組の序盤で安倍氏は「今年はなんと言ってコロナウイルスとの戦いに集中した1年だった」と振り返った上で、オリンピック開催の是非に揺れた時期を引き合いに。

安倍氏は「オリンピック、パラリンピックをやるかやらないか、観客を入れるか入れないか、あの時、『オリンピックを実行したら10月、11月は大変なことになる』と言っていた人たちがいますよね。今出てこないですねそういう人たち」と指摘。「オリンピック、パラリンピック、堂々と共産党、立憲民主党もかなり反対だったし、朝日新聞なんか社説で(反対論を)書いてましたよね。しかしやってよかったと思いますね」との思いを吐露した。

朝日新聞「収束後」の社説は?
安倍氏は「今出てこない」と述べた反対論者のその後はどうなったのだろうか。

まず、安倍氏が引き合いに出した社説を書いた朝日新聞。オリンピック開催まで3か月を切った5月26日の朝刊で「夏の東京五輪 中止の決断を首相に求める」を書いたが、その後も「五輪の観客 科学置き去りの独善だ」(6月22日)、「無観客五輪 専門知、軽視の果てに」(7月10日)などと、大会へのネガティブキャンペーンを展開。開会式当日(7月23日)の紙面では、「分断と不信のなかで幕を開ける、異例で異様な五輪である」と指弾した。

そこまでオリンピックに不信感を持つのであれば、取材陣を引き上げ、大会組織委スポンサーからも撤退した方が筋が通りそうなものだが、2016年に組織委と契約した際、「オフィシャルパートナーとしての活動と言論機関としての報道は一線を画します」と述べたことを引き合いに、スポンサーは続行。選手たちが金メダルを獲得すると、一面、スポーツ面、社会面と大きく展開。こうした首尾一貫しない姿勢には、朝日新聞のOBからも批判的な意見が相次いだ。

結局、朝日はオリンピック開催翌日の8月9日の朝刊社説で「努力してきた選手や関係者を思えば忍びない。万全の注意を払えば大会自体は大過なく運営できるかもしれない。だが国民の健康を「賭け」の対象にすることは許されない」と、大会中止を求めた5月の社説を正当化した。しかし、その後、感染が大きく収束する流れとなり、菅政権が退陣。「標的」を見失ってしまったのか、朝日のオリンピック批判社説の中身が変質する。

年末モードになった今月24日、朝刊で「東京五輪総括 あるべき姿にほど遠い」と題した社説を掲載したが、その中身はといえば、大会の決算をダシに費用負担やガバナンスの問題に終始。春先から夏場まで連日、オリンピックと政権への批判材料にしていた「コロナ」のコの字や、「パンデミック」のパの字はどこにも見られなかった。

ネットで中止を訴え続けた記者たちは?
ほかの中止論者たちはどうか。

その朝日新聞OBで、現在はフリーランスの軍事ジャーナリストの高橋浩祐氏は、
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一方、安倍政権退陣後はすっかり官邸での勇姿を見なくなった東京新聞の望月衣塑子記者も、大会中止論をツイッターで発信していた1人だ。
(略)

署名集めの宇都宮氏は年の瀬に…

その望月氏も言及していたのが、かつて都知事選に3度出馬した弁護士の宇都宮健児氏の署名活動だ。

(略)

ただし一方で、中止論者たちに再びスポットライトを向ける発言をした安倍氏に対しても、違和感を覚える人たちも。いわゆる「反アベ」の左派に限らず、ある保守系のネット民は「これ菅さんがいうならわかりますが、安倍さんが言うのはどうなんだろう」と懐疑的だった。