立憲民主、国民民主両党は31日投開票の衆院選に向け、「正式名称で投票してほしい」という呼びかけを開始した。公職選挙法に基づく比例代表の略称がいずれも「民主党」で、混同されかねないためだ。「民主党」と書かれた場合は両党の得票割合に応じて票を割り振る「案分」となる。

 立憲は24日、公式ツイッターに「比例代表選挙の投票用紙には『立憲民主党』とお書きください! 略称が他党と重複しているため、票が分かれてしまいます」と投稿し、「拡散希望」と訴えた。国民の玉木雄一郎代表も25日、比例代表への呼びかけで「『民主党』ではなく『国民民主党』でぜひお願いします」と強調。国民の公式ツイッタープロフィル欄にも「ぜひ、“国民民主党”の正式名称で」とのメッセージを掲げた。

 2019年7月の参院選では、旧立憲の略称が「りっけん」、旧国民が「民主党」だったが、20年9月の分党・結党後、現在の立憲、国民がそれぞれ「民主党」を届け出ていた。今回の選挙で「民主党」票は有効だが、どちらの党か判断できないため案分される。

 総務省によると、「民主」と書かれた場合は、両党だけでなく「自由民主党」や「社会民主党」の党名にも含まれるため、各自治体の開票管理者の判断で無効票とされる可能性もあるという。一方で、他党と共通しない「立憲」や「国民」の表記なら有効となる可能性があり、総務省の通知では、有効と判断される参考例として、立憲の「立」「立憲」「立民」、国民の「国」「国民」を示した。

 一方、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」の略称は「NHK党」だが、党名が「NHKから自国民を守る党」だった20年12月、総務省に「自民党」の略称を申請し、受理されなかった。【田所柳子】

毎日新聞
2021/10/25 17:40
https://mainichi.jp/articles/20211025/k00/00m/010/145000c