杉並区の田中良区長が7月、東京都で緊急事態宣言が発令されている中、区内の経済団体との会合参加のため、公用車で群馬県のゴルフ場に行っていたことが13日、関係者への取材で分かった。東京都はこの時期、都民に不要不急の都道府県境を越えた移動自粛を要請していた。

田中区長が参加したのは、7月14日に群馬県長野原町のゴルフ場で行われた東京商工会議所杉並支部の幹部会議。田中区長は同日昼、公用車で区役所を出発。現地で区の新型コロナウイルス対策やワクチンの接種状況に関する講演を行い、夜に複数の幹部と会食した。その後、現地で1泊し、15日に新幹線で都内に戻った。

関係者によると、この会合は毎年恒例で、翌朝にゴルフをするのが定番だった。例年は田中区長もゴルフに参加していたが、今年はプレーしなかったという。

区は区職員向けのコロナ対策に関する指針で出張に関する規定を定めていないが、区議会の一部会派では問題視する動きが出ている。14日の一般質問で山田耕平区議(共産)が事実関係についてただす予定だ。

田中区長は産経新聞の取材に対し、「会合は現場と意見交換する貴重な機会だった。公用車の使用は公務であり全く問題ない」との認識を示した。14日夜の会食で酒類が提供されたかどうかについては、「あったかもしれないが覚えていない」と言葉を濁した。

田中区長をめぐっては、平成30年にも公用車を使って目黒区長選の候補者の応援に駆け付けたことなどが発覚している。

産経新聞
2021/9/13 18:59
https://www.sankei.com/article/20210913-6JYDM2TSDZN7DHHNYC2WK2FLE4/