菅義偉首相(自民党総裁)は6日にも党役員人事、その後に内閣改造を実施する方針で、河野太郎行政改革担当相(58)を要職で起用する調整に入った。政調会長が有力で、幹事長や官房長官も取りざたされる。石破茂元幹事長(64)を党要職で処遇する案も浮上した。知名度が高い河野氏らを重用する「目玉人事」で、党総裁選や衆院選前の政権浮揚を狙う。

 自民党は3日、臨時の役員会と総務会を開き、党役員人事について総裁一任を取り付ける。

 河野氏は1996年初当選で8期目。外相や防衛相を歴任し、菅政権では新型コロナウイルスのワクチン担当を務めている。首相と同じく神奈川県が地盤で、首相の信頼は厚い。政府関係者は「もともとは幹事長案があったが、衆院選公約の策定に向け、首相は政調会長への起用に傾いている」と明かす。

 石破氏は86年初当選で11期目。安倍前政権で幹事長や地方創生担当相を務めたが、その後に安倍晋三首相(当時)との関係が悪化。2018年総裁選で安倍氏と対決して敗れたが、国民には根強い人気がある。幹事長など重要ポストへの起用案があるが、安倍氏らの理解を得られるかが焦点となる。

 首相に近い複数の議員は「衆院選のアピール材料にすべきだ」として、大規模な人事とするよう首相に進言している。野田聖子幹事長代行(60)や萩生田光一文部科学相(58)を抜てきする案も出ている。【小山由宇】

毎日新聞
2021/9/1 21:14
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