田村憲久厚生労働相は10日の閣議後会見で、東京五輪の開催が新型コロナウイルスの感染急拡大に影響したかを問われ、五輪によって人流が増加するなどの「数字は出ていない」と述べ、関連性に否定的な見方を示した。

 国内の新規感染者は9日まで7日連続で1万人超となり、感染の急拡大が続く。菅義偉首相は一貫して五輪開催の影響を否定する一方、政府分科会の尾身茂会長は4日の衆院厚生労働委員会で「五輪が人々の意識に与えた影響はあるというのが我々専門家の考えだ」と述べた。

 会見で田村氏は「人の動き自体は、五輪で街に繰り出した、飲みに出た方が増えたという数字は出ていない」と指摘。「自宅でテレビをみられ、視聴率もよかった。我々のお願いを理解し、多くの方々が自宅で応援した。心から感謝申し上げたい」と述べた。(石川友恵)

朝日新聞
2021年8月10日15時55分
http://www.asahi.com/amp/articles/ASP8B53JKP8BUTFL009.html