新顔5人が争う兵庫県知事選(18日投開票)について、朝日新聞社は10、11の両日、電話調査を実施し、取材で得た情報と合わせて情勢を探った。元大阪府財政課長の斎藤元彦氏(43)と前兵庫県副知事の金沢和夫氏(65)が激しく競り合っている。元県議の金田峰生氏(55)、元加西市長の中川暢三氏(65)、音楽塾経営の服部修氏(47)は苦しい。

 有権者の半数以上が投票態度を明らかにしておらず、情勢は変わる可能性がある。

 5期20年務めた井戸敏三知事は立候補せず、今期で退く。自民党と日本維新の会が斎藤氏を推薦したが、井戸知事や自民県議の多くは金沢氏を支援する。共産党は金田氏を推薦している。公明党は自主投票を決めている。

 投票態度を明らかにした人でみると、斎藤氏は推薦を受けた自民支持層からの支持は4割台で、維新支持層の大半を固めた。無党派層からも3割の支持を得ている。

 金沢氏は自民支持層から4割台、無党派層から4割弱の支持を受け、斎藤氏と分け合っている。

 同時に実施した世論調査では、井戸知事の5期20年に及ぶ県政を評価するか4択で尋ねたところ、「評価する」は「大いに」8%、「ある程度」51%を合わせて59%。「評価しない」は「あまり」29%、「全く」7%を合わせて36%だった。次の知事にこれまでの県政を「引き継いでほしい」は28%、「大きく変えてほしい」は52%だった。「引き継いでほしい」と答えた人では金沢氏の支持が厚く、「大きく変えてほしい」と答えた人の多くは斎藤氏を支持している。

 政党支持率は自民23%、維新7%、立憲民主3%、公明3%、共産3%、国民民主1%などだった。

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 調査方法 10、11の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、兵庫県内の有権者を対象に調査した。有権者がいると判明した1742世帯のうち、1034人の有効回答を得た。回答率は59%。

朝日新聞
2021年7月13日 5時00分
https://www.asahi.com/articles/ASP7D5TS2P7DUZPS001.html