東京都への4度目の緊急事態宣言発令が決まり、首都圏では無観客での開催が決まった東京五輪。一方、海外の五輪関係者は続々と東京入りしている。東京・江東区の東京ビッグサイトでは、海外メディアをはじめとする五輪関係者が大会本番に向けた準備を進めている。組織委は、海外から来日した関係者に厳格な行動管理を求める指針を定めているが、食べ歩きやノーマスク、駅付近のマクドナルドで談笑する姿なども見られた。

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「ルールを守っていない外国人の関係者を見かけることはあります。施設内では、コロナのことを忘れているのかなと思う場面もよく目にします」

 こう証言するのは、連日ビッグサイトに出入りする会場関係者の女性(匿名希望)だ。この女性によると、ビッグサイトにプレオープンした各国報道陣の拠点となるメインプレスセンター(MPC)や国際報道センター(IBC)では、五輪関係者しか立ち入れない屋内で、食べ歩きをする外国人を見かけるという。

「特に、アイスの食べ歩きはよく見る光景です。暑い日には、欧米から来たとみられる関係者たちが半袖短パンで、ジャイアントコーンのようなアイスを食べながら廊下を歩いているのを目にします。若い女性からおじさんまで、年代男女問わずいますね」(会場関係者の女性、以下同)

 五輪組織委は、海外から来日した五輪関係者向けに指針「プレイブック(第3版)」を定めている。それによると、マスクを常に着用することや、人との接触を最小限に抑えることなどが明記されている。

 食事や移動についても厳しくルールを定めている。食事の際は2メートル以上の距離を保ち、なるべく一人で食事をするといった人数制限のほか、食事の場所は大会会場における食事施設か、宿泊先のレストランか自室に制限。これらの場所を使用できない場合は、例外事項として組織委が指定した店に限り、コンビニや持ち帰り用レストランでの購入が可能となるが、イートインは認められていない。また、入国後14日間は公共交通機関を使用してはならない(大会専用車両または大会専用ハイヤーのみ)ことなども明記されている。

こうした「厳格な管理」という建前があるため、前出の女性は「良識ある行動をする外国人も多い」と話す。だが、人によって意識の差も感じるという。

「例えば入口に設置されている消毒液は、ちゃんと使う人もいますが、やらない人もけっこういます。マスクの付け方も、鼻マスクの状態の人もいますし、屋内で堂々とマスクを外して会話をしている様子も見たことがあります。最近は、中国人関係者の団体行動が目立ちます。20人ぐらいが密になって、至近距離でしゃべっているのを見ると、心配になります」

 東京五輪は、選手らと外部の人々との接触を断つ「バブル方式」を標榜しており、市中感染は許されない。だが、不特定多数の人がいる屋外での海外関係者らの行動にも疑問を感じることがあるという。

「ランチタイムには、駅とビッグサイトの間のベンチで外国人関係者たちが5人ほど集まって、テイクアウトしたマックのハンバーガーを食べながら談笑しているのを見ました。朝の出勤時や18時ごろの帰り時になると、首からアクレディテーションカード(参加資格証)をぶら下げた外国人たちが、ゆりかもめや都バスにゾロゾロと乗り込んでいきます。移動や食事については厳しくルールを定めているはずですが、けっこう緩いんだなという印象です」

 これらの証言をもとに、記者も6日午後、実際にビッグサイト周辺の様子を確かめに行った。

 東京ビックサイト駅からビッグサイトまでの道中、2人組の男性がマスクを外して、コンビニで買ったと思われるチョコレート菓子を食べ歩いている姿があった。手にはポッキーの箱。首には五輪関係者であることを示すアクレディテーションカードをぶらさげている。どこの国から来たのか英語で尋ねると、「Spanish」とだけ答え、ゲートの中へと入っていった。

 この日は時折雨もぱらつく曇り空で、じめっとした蒸し暑い気候だった。マスクがうっとうしくなったのか、ビッグサイトから出てきた6人組の外国人グループのうち2人がマスクを外し、談笑しながら最寄り駅へと歩いていく姿などもあった。

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AERA
7/11(日) 8:00
https://news.yahoo.co.jp/articles/f14c16fea6942afbbf3b3a1dda43d2a8453c044b