東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長は9日の定例記者会見で、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が16日に広島市を訪問する行程で予定通り調整を進めていることを明らかにした。

 バッハ氏が訪問を計画する16日は「五輪休戦決議」の開始日にあたり、ジョン・コーツ副会長も長崎市への訪問を検討している。

 しかし、被爆者団体などからは感染対策の不安のほか、パフォーマンスに利用されるなどの懸念から「歓迎できない」との声が上がっている。バッハ氏らが滞在する東京都は12日から4回目の緊急事態宣言が発令される。

 橋本氏は「さまざまな意見があると思うが、五輪・パラリンピックの根本原則はやはり平和。唯一の被爆国である日本で広島、長崎から平和を発信してほしいという依頼は、強く地元からいただいている。万全な感染症対策を講じた上で、平和の尊さを国内外に伝えていただければありがたい」と述べた。【円谷美晶】

毎日新聞
2021/7/9 16:20
https://mainichi.jp/articles/20210709/k00/00m/050/192000c