麻生太郎財務大臣は7日、財務省での会見で、学校法人「森友学園」に関する決裁文書を財務省が改ざんした問題について、改めて再調査を否定した。検察の調査を受けたことを理由に、「検察ですから第三者ですからね」と強調。質問した本紙記者を見つめ、「わかってるね?その部分。きょとんとしてるけど、それは顔のせいか?マスクのせいか?(笑)検察というのは身内じゃないから」と述べ、記者の容姿に再び言及した。

 麻生氏は、これまでも本紙記者が赤木ファイルについて質問すると、答えをはぐらかす一方で、「全然頼りねえ顔してるけど、質問するならきちっと知ってないと具合悪いよ?」「東京新聞。ああそう。その程度の能力か」などとからかう言動をしていた。
 本紙記者はこの日、文書改ざんに関与させられ、自殺に追い込まれた近畿財務局の元職員赤木俊夫さんの妻雅子さんが「再調査をされる側の麻生大臣が再調査をしないと言い続けるのはおかしい」と主張していることを質問した。
 麻生氏は「第三者とかなんとかいうんであれば、検察当局に勝る第三者は、ちょっと思い当たらない。赤木さんもこの質問、知っておられると思いますけれどね。私の答えも何回か聞いておられると思います」とこれまでを踏襲する回答をした。(デジタル編集部)
◆赤木ファイルに関する質疑応答は以下の通り。
本紙記者 赤木ファイルの件で、赤木ファイルが出た後でも財務省は再調査をしないということだが、先月、赤木俊夫さんの妻雅子さんが記者会見で、「再調査をされる側の麻生大臣が自ら再調査をしないと言い続けるのはおかしい」と言っています。この点、大臣はどう考えますか。
麻生氏 文書改ざんという一連の話だと思いますが、調査報告誌において、私や事務次官に一切報告されないまんまに、いわゆる当時の理財局において国有財産の行政の責任者である理財局長というものが方向性を決定づけて、その下でいわゆる総務課長ら関係者に方針を伝達するという中核的な役割を担っていたと認定をしておる。
 その上で申し上げれば、財務省の調査報告書で、いわゆる文書改ざん等々一連の問題につきましては、検察当局による捜査、検察ですから第三者ですからね。
 (無言)わかってるね?その部分。きょとんとしてるけど、それは顔のせいか?マスクのせいか?(笑)検察というのは身内じゃないから。
 第三者、検察当局による捜査とあわせて、財務省として説明責任を果たすという観点から、職員からの聞き取りとか、また検察当局によって入手されたものを含めた関連文書の確認とか、サーバーや各職員のコンピューター上に残されたファイルの探索など、今回、いわゆる特定をされましたファイルにつづられている中身を含めて、少なくともできる限りの調査を尽くした結果をお示ししたものであって、第三者とかなんとかいうんであれば、検察当局に勝る第三者は、あんまりちょっと思い当たらないんですけども。
 そういったことを考えますと、再調査を行う必要ない。そう思っております。前にも説明しましたけどね。あなたに限らない。わかるように、前にもこの話は似たような質問がありましたので、何回か。赤木さんも。この質問、同じ質問には、知っておられると思いますけれどね。私の答えも何回か聞いておられると思います。

東京新聞
2021年7月7日 19時56分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/115209