安倍晋三前首相の公式ツイッターが、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)がまとめた「赤木ファイル」の記述を取り上げ、「『現場として(森友学園を)厚遇した事実はない』この証言が所謂(いわゆる)『報道しない自由』によって握り潰されています」と投稿し、拡散している。しかし、「現場として厚遇した事実は(も)ない」との内容は、少なくとも25社の新聞社と通信社が報道しており、この投稿は根拠不明だ(ファクトチェックの基準https://mainichi.jp/articles/20210303/hrc/00m/040/001000d)。【木許はるみ/デジタル報道センター】

「報道しない自由によって…」

 この投稿は安倍氏の公式アカウントが6月24日午後6時9分にツイートし、28日正午までに約2万1000件リツイートされ、約5万2000件の「いいね」が付いている。

 内容は以下のようなものだった。

 「赤木氏は明確に記している。『現場として(森友学園を)厚遇した事実はない』この証言が所謂『報道しない自由』によって握り潰されています≪秘書アップ≫」。さらに産経新聞の記事の画像も添えられている。記事は6月24日付朝刊の論説委員兼政治部編集委員の阿比留瑠比氏のコラム「極言御免」で「財務省文書改竄(かいざん) 忖度(そんたく)説の決壊」とのタイトル。画像は記事本文の「まず押さえておきたいのは、赤木氏がこう明確に記していることである。『現場として(森友学園を)厚遇した事実はない』」などの部分を色付けし、強調している。

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毎日新聞
2021/6/28 20:00
https://mainichi.jp/articles/20210628/k00/00m/040/210000c