東京都医師会の尾崎治夫会長は8日の定例会見で、7月23日開幕の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについて「やるとしたら無観客しかないし、中止という選択肢もありえる」との見解を示した。

 尾崎会長は「(都内の1日あたりの新規)感染者が100人程度に収まった状態じゃないと、7、8月にリバウンド(感染再拡大)が起こるおそれがある」と指摘。都内の新規感染者数(週平均)が400人を超えている現状を踏まえ、都内の感染状況が改善せず、大会期間中の感染防止対策がとれない場合は、中止すべきだとの考えを述べた。

 その上で「やるとしたら無観客。家族など限られた人と一緒に映像で応援し、人流を増やさずに楽しむのが望ましい」と話した。

 また、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が「パンデミックの所でやるのは普通ではない」と発言したことについては、「専門家として極めて当然の発言だと思っている。政府も貴重な提言として受け止め、対応してほしい」と要望した。(池上桃子)

朝日新聞
2021年6月8日 19時13分
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