>>68
Evenkはツングース語族では北部型に属す集団(fig. 2a)で、トランスバイカルと極東の2種類に大別され
トランスバイカルのほうは平均的な日本人・朝鮮人とは遺伝的にかけ離れている
極東Evenkのほうも特に近いというわけではない

PCA(fig. 4)を見ると、一口にツングース語族といっても遺伝的に幅があり、それに応じて顔つきや骨格などもバラつきがあると予想される
EvenkとEvenは西ユーラシア人にシフトしており、qpAdm方式の推定により西ユーラシアの系統を14〜35%ほど有していることがわかる

言語学の研究ではアムール川流域がプロト・ツングースの原郷であると考えられているが
さらに考古学的な証拠を突き詰めることで、沿海州南部のハンカ湖(Lake Khanka)周辺がより具体的な場所であることがわかった

Yhap C2の狩猟採集民のオリジナル言語は、Tungusicではなく、Amuric(ニヴフ語)であった可能性がある
一般的にツングース語族というとC2のイメージがあるが、彼らの言語がC2から内部発生したものなのかどうかは定かではない
沿海州における農耕の起源(3500BC)はハンカ湖にあり、ツングース語族の人口増大と関係しているため、彼らは農耕民族であったと考えられる

東アジアの集団では、朝鮮の遺伝子プールが最もコンパクトかつ綺麗にまとまっており、
ネトウヨなどが理想とする「単一民族」は朝鮮民族が最も近いことになる

Figure 2. Diversity hotspot of the Tungusic languages under the north-south classification in (a) as compared with the hotspot under the Manchu-Tungusic classification in (b).
https://static.cambridge.org/binary/version/id/urn:cambridge.org:id:binary:20200421175645641-0667:S2513843X20000080:S2513843X20000080_fig2.png

Figure 4. Principal component analysis projecting ancient Devil's Gate, Ustlda and Jomon samples onto the variation of present-day East Eurasians.
https://static.cambridge.org/binary/version/id/urn:cambridge.org:id:binary:20200421175645641-0667:S2513843X20000080:S2513843X20000080_fig4.png

The homeland of Proto-Tungusic inferred from contemporary words and ancient genomes
doi: doi.org/10.1017/ehs.2020.8